08 月<< 2017年09 月  123456789101112131415161718192021222324252627282930  >>10 月
 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ヨメさんコラム

『富士との再会の記憶』

繁殖所のおじさんから父に「富士を譲って欲しい」と相談が入ってから、父親は意外に早く了解を出した。
「信頼してる〇〇君が困っているんだから…」
なんで?
もっと、意地悪したっていいじゃない!
だって、子犬が死んだのも、盗まれてしまったのも私たち家族に非はないよ。
全部、おじさんの不注意だ。
まるで、おじさんも被害者のように伝えてきてるけど…違うよ!
もう少し早く気付いていたら…全ての事が防げていたじゃないか!
それなのに、まだ、おじさんの不始末の肩代わりをうちがするの?
もしかしたら、本当は全部作り話で血統の良い犬だったから惜しくなって私たちから富士を取り上げたいんじゃないの?
と、そこまで考えてしまう…こんな考え方をするのは私が非情な人間だからだろうか?
それなら、それでもいい富士がいなくならないなら私が悪くたって構わない!

だけど、その当時小学1、2年生くらいだった私には今のような考えは浮かんでいなかった。
知らなかった情報がドドッと入ってきて整理もつかず、母さんの言葉が音のように流れていて理解もできていなかった。
母さんが目の前に居て話している姿だけが思い出される。
私は、きっと、うなだれて、ふて腐れた顔をして聞いていただけ…
それが、あの時の私にできた唯一の抵抗だったから…。

そして、母が
「明日、富士がもらわれて行く日だよ。
最後のお別れしたいよね!
〇〇(私の名前)行くよね。」
と苛立ったような口調で言った。
あまりに突然の母の話に私は今まで聞いていた話さえも吹っ飛んでしまい頭が真っ白になった。
その言葉の後の記憶は全然残っていない。

次に思い出される光景は、
白い軽トラックの荷台の上に鉄製の頑丈で大きなオリが乗せられている。
そのオリの中には富士が入れられていた。
私は軽トラックの下から荷台の縁に手を掛けてオリの中を見ている。
富士は私と真っ直ぐに向かい合い視線を合わせるように座わりながら、
「クーン、クーン」と鼻を鳴らしている。

久しぶりに会えた富士は汚れていて、随分と老けてしまったように見えた。
あの美しかった富士が…。
家を出てから今日までどんな思いをしていたんだろう?
富士は自分の身の上を全部わかっていて悲しんでいるように感じた。


(明日へ つづく)
スポンサーサイト
  • このエントリーのカテゴリ : わんこ

コメント

相互リンク

こんばんワン♪
はじめまして。
この度、ワンちゃんを中心にした情報サイトを
公開しました。
もしよかったら相互リンク並びに
遊びに来てもらえませんか?
サイト名  犬wanwan【総合犬情報サイト】
http://www.fureai-ch.ne.jp/~yazukiti/wan/

こんばんは

ずっとこのコラムを読みながら
はがゆい思いをしています・・・
救いのない話なのか
それとも・・・
前者のような気がしてならないのです><

シンさんへ

そうですね。
…ごめんなさい。
私と一緒に泣いてくださいませんか?


 編集・削除ができます。
 管理者にだけ表示を許可する
 
 

プロフィール

luminousfactory

Author:luminousfactory
長野県発
ウチのワンコ達、その他、自分の周りでホットなものを順次掲載していきます

 

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

 

FC2ブログランキング

 
 
 
 

月別アーカイブ

 
 

QRコード

QRコード
 

フリーエリア




 

FC2ブログジャンキー

 
 

ブロとも申請フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。